馬柱(レースごとの馬の戦績を並べた予想の一覧表)の「前走0.3秒差2着」いう数字だけ見て、「ほな、この子は次も強いんやろか」って、そのまま鵜呑みにしてしまってはりませんか。うちは桃井杏どす。今日はその数字、実はそのままでは他のレースと比べられへんいうお話をさせていただきます。
この記事でわかること
- 着差(ゴールでの馬体差を表す単位)の目安と、1馬身が何秒くらいにあたるか
- 前走の着差やタイムを、そのまま他のレースと比較したらあかん理由
- 馬場状態・競馬場・レース展開によってタイムの「基準」が変わること
- 初心者が着差・タイムを予想に使うときに、最低限チェックしたい3つのポイント
目次
着差とは?馬柱の「0.3秒差」が表しているもの
着差とは、ゴール到達時の馬体差を表す単位のことどす。短い順に、ハナ差(目安として約20cm)、アタマ差(約40cm)、クビ差(約80cm)、そして1馬身(約2.4m)と続き、その差が11馬身以上開いた場合はまとめて「大差」と表記されます(着差(競馬) – Wikipedia)。判定にはフォトチャートカメラいう写真判定用の機械が使われ、1000分の6秒ごとに刻まれるスリットの数から着差が算出されてはります(着差(競馬) – Wikipedia)。
「1馬身=0.2秒」いう言い方をよう見かけますが、これはあくまで目安どす。実際にはレースのスピード域によって、1馬身あたり約0.15〜0.2秒前後のばらつきがあるとされとります(「1馬身 = 0.2秒」ではない。1馬身あたりの秒数の結論。)。馬体の差を秒に換算しはる時は、あくまで目安として捉えておくれやす。
前走の着差はそのまま信頼していい?結論から言うと「条件付き」
結論から申しますと、着差はそのレース「内」での相対的な強さを示す目安にはなりますが、レースをまたいで絶対的な強さを比べる物差しにはなりまへん。同じ「0.3秒差2着」でも、コースも馬場状態もレース展開も違うレース同士やと、意味合いはまるで変わってきます。
なぜそう言い切れるんか、この後じっくり理由を三つに分けてお話しさせていただきますね。まずは馬場状態のお話から参りましょう。
なぜタイムを単純比較できないのか(1)馬場状態が違うと基準タイムが変わる
馬場状態が違うと、そもそもの走破タイムの基準そのものが変わってしまいます。JRAの馬場状態は芝・ダートともに「良・稍重・重・不良」の4区分で表記され、含水率(コースの土や芝がどれくらい水分を含んでいるかを示す数値)を参考値のひとつとしつつも、担当者が実際にコースを巡回点検して総合的に判定してはります(馬場状態に関する基礎知識(馬場情報) JRA)(馬場状態およびクッション値に関する情報 JRA)。含水率の具体的な数値は日によって変わる目安どすので、「この数字を超えたら不良」いうように固定的に覚えん方がよろしおす。ちなみに、こういう「その日の馬場のコンディションによってタイムがどれくらい変わるか」を表す言葉として、競馬では「馬場差」いう用語も使われとります。
そして重馬場・不良馬場になった時、走破タイムがどう変わるかは芝とダートで向きが逆になる点に注意がいります。芝コースは水分を含むと地面が緩んでクッション性が落ちますさかい、良馬場と比べて基準タイムが遅くなりやすいんどすが、ダートコースは逆に砂が水分を含んで締まり、脚が沈み込みにくくなることで、良馬場よりむしろタイムが速くなりやすいとされとります(重馬場・不良馬場とは?雨の日の競馬の勝ち方! JRA-VAN)。ですさかい、「馬場が悪い=どのレースもタイムが遅くなる」と一括りに考えてしまうんは、評価を誤る元になります。良馬場と重馬場・不良馬場のタイムを比べる時は、芝かダートかも必ず確認しておくれやす。
なぜタイムを単純比較できないのか(2)競馬場・コースごとに基準が違う
同じ距離のレースやからいうて、違う競馬場のタイムをそのまま比べてはいけまへん。競馬場ごとに直線の長さやコースの高低差といった形状が異なりますさかい、走破タイムの「基準値」自体が競馬場・コースごとに変わってきます(コース紹介:東京競馬場 JRA)(JRA全競馬場 直線の長さと急坂ランキング)。
たとえば直線が長うて平坦なコースと、直線が短うて坂のあるコースとでは、同じ実力の馬が走っても出るタイムは自然と違うてきます。「A競馬場の1400mより、B競馬場の1400mの方がタイムが速かったから、B競馬場の馬の方が強い」いうような単純な比べ方は、あんまりお行儀の悪いこと言わんといておくれやす。まずは同じ競馬場・近いコース条件で見比べるんが基本どす。
なぜタイムを単純比較できないのか(3)レース展開・ペースの違い
同じ着差・同じタイムでも、レースの展開次第で内容の評価はがらっと変わります。前半から飛ばすハイペース(前半のペースが速いレース展開)で最後まで粘って勝った内容か、それともスローペース(前半のペースがゆったりしたレース展開)からの上がり勝負やったんかで、その勝ちの「重み」は違うてきます(走破タイムで読み解く馬場差完全攻略ガイド)(競馬のスローペース・ハイペースの違いと基準とは? umawiki)。
着差が大きく開いた「大差勝ち」も同じことで、後続がスローペースの上がり勝負に足並みを揃えとる中、一頭だけ違う競馬をして独走した結果いう場合もありますし、相手がよほど弱かっただけいうこともありますよって、着差の大きさだけで「強い」「弱い」と決めつけるんは早計どす。ラップタイム(1ハロン=約200mごとの区間タイム)や上がり3ハロン(ゴール前600mのタイム)もあわせて見はると、レースの中身がぐっと見えてきますえ。
初心者が着差・タイムを予想に使うときのチェックポイント
着差やタイムを予想の参考にしはるなら、次の3点を確認していただくとよろしおす。
- 同じ馬場状態・近いコース条件で比べる。 良馬場同士、同じ競馬場の同じ距離といった具合に、なるべく条件を揃えて比較するのが基本どす。芝とダートでは重馬場・不良馬場でのタイムの出方が逆になる点も忘れんといておくれやす。
- 着差だけでなく、上がりタイムやレース展開もあわせて見る。 同じ着差でもハイペースを粘った内容か、スローペースの上がり勝負かで評価は変わります。
- 大差勝ち・大差負けは、展開や相手のレベルの影響も疑う。 数字が大きいからというて、単純に強い・弱いと決めつけんことどす。
この三つを頭の片隅に置いていただくだけで、馬柱の数字の見え方がだいぶ変わってくると思います。
よくある質問
着差の「ハナ」「アタマ」「クビ」はどのくらいの差ですか?
目安として、ハナ差は約20cm、アタマ差は約40cm、クビ差は約80cm、1馬身は約2.4mとされとります。11馬身以上開いた場合はまとめて「大差」と表記されます(着差(競馬) – Wikipedia)。
1馬身の差は何秒くらいですか?
よく「1馬身=0.2秒」と言われますが、これはあくまで目安どす。実際にはレースのスピード域によって、1馬身あたり約0.15〜0.2秒前後の幅があるとされとります(「1馬身 = 0.2秒」ではない。1馬身あたりの秒数の結論。)。
違う競馬場のタイムをそのまま比べてもいいですか?
あまりおすすめできまへん。競馬場ごとに直線の長さやコースの高低差が異なり、走破タイムの基準そのものが変わりますさかい、同じ距離でも単純比較は難しいとされとります(コース紹介:東京競馬場 JRA)(JRA全競馬場 直線の長さと急坂ランキング)。
馬場状態が違うとタイムはどう変わりますか?
JRAの馬場状態は良・稍重・重・不良の4区分で判定されます(馬場状態に関する基礎知識(馬場情報) JRA)。重馬場や不良馬場になると、芝コースは地面が緩んで良馬場より基準タイムが遅くなりやすい一方、ダートコースは砂が締まって脚が沈みにくくなり、むしろタイムが速くなりやすいという、芝とダートで逆の傾向があるとされとります(重馬場・不良馬場とは?雨の日の競馬の勝ち方! JRA-VAN)。
前走で大差勝ちした馬は次走も強いと考えていいですか?
大差勝ちという結果だけで判断するんは早計どす。そのレースのペースや相手のレベル、馬場状態も含めて内容を確認したうえで判断しはるんが望ましいと思います。
まとめ
着差もタイムも、それだけで「強い・弱い」を決められる万能な物差しやおへん。着差はあくまでレース内での相対的な差を表す目安どすし、タイムも馬場状態・競馬場・コース形状・レース展開によって基準が変わりますさかい、まずは条件をなるべく揃えて比べる、そして着差やタイムの数字だけでのうて上がりやペースもあわせて見る、いうことを心がけていただければと思います。数字を鵜呑みにして決めつけてしまうんは、あんまりお行儀の悪いこと言わんといておくれやす。
着差やタイムの見方に慣れてきはったら、あわせて「上がり3ハロン」や「馬場状態の違い」の記事も読んで、レース内容をより立体的に読み解いてみておくれやす。なお、この記事の内容は数字の読み方をご案内するもので、的中を保証するものではおへん。馬券の購入は20歳以上のみ、あくまでご自身の判断と責任のもとで楽しんでいただければと思います。



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